効果的な贈与対策

そもそも贈与税が非課税の場合

(1)扶養者からの生活費

 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、日常生活における居住費用、光熱費、食費などの生活費で、その都度それらに充当するために贈与されたものは非課税となります。

(2)扶養者からの教育費

 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、通常必要とされる学費や教材費、文具代などの教育費で、その都度それらに充当するために贈与されたものは非課税となります。

(3)障害者に関する給付金

 地方自治体の条例によって、障害者または障害者の扶養義務者が、心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金については、贈与が行われても贈与税は非課税となります。

(4)冠婚葬祭などの贈答金

 個人間における、祝儀や香典、花輪代、季節の贈答、見舞いなどのための金品について、著しく高額でないものは、贈与税はかかりません。

贈与税がかからない方法

(1)基礎控除内の贈与

 通常の贈与は暦年贈与と呼ばれ、1年ごとに申告と納税を行うこととされています。 そして、暦年贈与は毎年110万円の基礎控除額があり、この額を超えない限り贈与税はかからず、申告の必要もありません。

 なお、金銭のみの贈与については、年間110万円以下であっても、贈与の度に贈与契約書を作成して保存しておく必要があります。

(2)相続時精算課税の選択

 相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に贈与を行う場合、財産の種類や金額、贈与回数に制限なく、複数年にわたる特別控除額が2,500万円まで適用できるというものです。 仮に特別控除額2,500万円を超える贈与があった場合は、一律20%の贈与税が課税されます。

 なお、相続時精算課税の選択をした場合、同じ贈与者からは二度と暦年課税の適用は受けられませんので、注意が必要です。

 ただし、相続時精算課税は、相続時の遺産総額には、相続時精算課税の選択において贈与された財産額を加算する必要があります。相続時精算課税による贈与税がすでに納付されていたときは、その額を相続税額から控除します。

(3)夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除

 夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産、または居住用不動産を購入するための金銭の贈与があった場合、基礎控除110万円の他に配偶者控除2,000万円が適用でき、合計2,110万円まで贈与税がかからない特例で、「おしどり贈与」とも呼ばれています。

 なお、贈与税の申告時に贈与を受けた居住用不動産、または贈与を受けた金銭で購入した居住用不動産に実際に居住していること及び今後も引き続き居住する見込みであることが必要です。